★基地ではなく保護区を!★

人魚と呼ばれているジュゴンは世界的にも絶滅の危機にあるのは知られたところです。どうして絶滅の危機にあるのか?どのようにして保護をするのかをみていきましょう。

ジュゴンは海牛目という種類に属する動物です。
同じ海の哺乳類ではクジラやイルカがいますが何千年も前にはそれぞれ別の陸上で生活していて長い年月と共に陸から海に生活の場所を変えてきた動物たちであるために、別の種類になります。
同じ祖先にはゾウがいるのはうなづける話であると言えるでしょう。




世界では?

これは世界でのジュゴンの生息地域を表したものです。
水温20〜30
の熱帯・亜熱帯の浅い海に住んでおり、世界には10万頭いると言われています。
そのうちオーストラリアに8万頭おり、アラビア湾近海では7千頭、沖縄から東南アジアにかけてはわずかに1500頭です。
何故この地域が特に少ないかと言うとジュゴンを食べる習慣があるために乱獲が行われたようです。
沖縄では50頭未満と言われています。現在ではオーストラリアとフィリピンに保護区があります。


何故ジュゴンは保護しないといけないの?

それには、まずジュゴンの生態からみていきましょう。
ジュゴンの寿命はおよそ70年と言われていますが性的成熟期にあたる大人になるには8年〜10年かかります。
ジュゴンは基本的には単独生活をしていると言われています。
群れで生活しているものもあるといわれていますがそのほとんどが母系家族と言われています。
ですからオスとメスの出会うことが中々ないのが現状です。
オーストラリアのように8万頭もいれば出会いもあるでしょうが、沖縄となると50頭もいないわけですからそれはそれは大変です。
仮にペアリングが成功したとしても、生まれて乳離れするまで1年半かかりますが、その間に3分の1が死んでいくと言われています。
1頭が一生で生む子供の数は5,6頭と言われてます。仮に生活環境を最適なものにしてもジュゴンの生息数が増えるのはたかだか5%と言われています。


その昔は沖縄でもさかんにジュゴン漁が行われていました。沖縄では年貢の代わりにジュゴンを献上し多くのジュゴンが死んだと言われています。
現在ではジュゴンの漁をしているところはありませんが、ジュゴンの死因の1位は定置網漁によるものです。網に引っかかり死んでいくというものです。


ジュゴンのご飯

ジュゴンは草食動物です。
これはジュゴンのご飯となるアマモと言われる海の浅瀬に生えている草です。
海草が生えている場所を海草藻場といいます。
浅瀬と言うことは陸地に近い場所ということで、当然人間の作り出す環境に影響を受けやすいのも事実です。
ジュゴンの親戚筋に当たるマナティなどはレタスやにんじんなども食べるので餌付けも簡単ですが海草しか食べないジュゴンは飼育も大変です。
その海草がなくなれば当然ジュゴンも死んでいくというわけです。


保護区にするには?

さてジュゴンのことがわかった上で保護区を作るにはどうすればよいかを考えたいと思います。

★定置網や刺し網漁の禁止★
特に沖縄では定置網漁が盛んに行われています。
日本国内での比率を見ても沖縄ではもっとも多く行われている漁のひとつです。
過去30年間で16頭のジュゴン死体が発見されていますがそのうち9頭が網によるものであとの6頭も網によるものの可能性が高いことがわかっています。
これは記録として残っている数だけでのことです。


海草の破壊★
海草は赤土の流出、モズク養殖事業の拡大、埋め立てなどにより良質の海草藻場が減少しつつあります。
良質の海草藻場である辺野古では今、普天間基地代替による飛行場が作られようとしています。
また私たちが辺野古に行った時もキャンプシュワブでは水陸両用車が行ったり来たりしてました。
その戦車が2005年6月辺野古の海に沈没したことは皆様ご存知でしょうか?引き上げるまでの1ヶ月はそのままでした。
その間水陸両用車からオイルが流れっぱなしになっていました。


船舶航行の規制★
ジュゴンはとても耳のよい動物を言われています。
ですから船舶から出る騒音には注意が必要です。
また船舶から流れ出るオイルなどの海洋汚染も問題です。


海域、陸域の開発行為の制限★
赤土の流出にはパイナップル畑の開発が多くかかわっているようです。
沖縄が返還されてからこの開発が盛んに行われたため、さんご礁にも影響があったと報告があります。サンゴはジュゴンや海草とも密接な関係をもっていて、もちつもたれつの関係で生態系が維持されてきました。
辺野古でボーリング調査が行われようとしていることは論外な話と言えましょう。



先の地図を見てもわかるようにジュゴンの生息地で先進国と言われているのはオーストラリアと日本です。
オーストラリアではすでに保護区がありますが先進国である日本にはその兆しさえ見えてきません。これはとても恥ずかしいことといってよいでしょう。
先進国である日本から
ジュゴンの保護を訴えていくべきと考えます。








            


 ジュゴン保護区を求めて