2008年活動報告  

6月1日:ジュゴン・イラスト写真展その2
場所:とよなかすてっぷ(大阪)


午後2時からは、いよいよ目崎茂和さん(南山大学教授)のお話の時間です。
この集いには、豊中近辺だけでなく、奈良をはじめ遠方から足を運んでくださった方たちがご参加くださいました。

目崎さんは東京教育大卒業後、1975年〜1985年の11年間琉球大学に勤務されました。
沖縄のことは自然だけでなく、文化についてもたいへん良くご存知で、そのうえ「京の風水めぐり」などの著書もあり、風水を交えた幅広いお話を聞かせていただきました。

目崎さんのプロフィールはこちらをご覧ください。
お話のメインは3月に実施された大浦湾アオサンゴ群落調査について。
3/25琉球新報の記事 もご覧ください)
昨年9月に大浦湾で発見されたアオサンゴの群落は、横30メートル
縦50メートルの巨大なもので、高さは最大18メートルにもなります。
有名な石垣島白保のアオサンゴは深さ3メートルぐらいで、サンゴは
板状になっています。
大浦湾のアオサンゴ 群落は枝状に発達しています

今回の調査では、GPSと魚群探知機を使って、サンゴの形や位置、
深さを測量し、アオサンゴの地図を作られたそうです。


1月の調査で作られたサンゴ周辺地図
沖縄リーフチェック研究会 のサイトから


サンゴは、クラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物に分類され、硬い石灰質の骨格の中に入って生活しています。サンゴは体内に共生している褐藻虫から栄養をもらって生きていますが、水温が30度以上になると褐虫藻が、逃げ出してしまいサンゴは白くなります(白化現象)。
サンゴの色は褐虫藻の色なのです。
ところが、アオサンゴは青い骨格を持っていて、とても美しいのでワシントン条約で規制されるまで、ハワイの空港などでおみやげに売っていたそうです。
それからアオサンゴのもうひとつの特徴は産卵の方法です。
普通のサンゴは卵と精子が出会うと受精卵は、波間を漂い、潮の流れに乗って遠くへ運ばれます。
アオサンゴの場合は、卵からかえった幼生がしばらくの間、親のからだにくっついた後、近くの海底に着地して新しい群体をつくるそうです。
これが繰り返されてアオサンゴの群体が集まった場所ができます。

アオサンゴについてはWWFジャパンのこちらのサイトもご覧ください。
世界最大級のアオサンゴの実態をあきらかに!
オニヒトデ 写真は目崎さんのご提供

オニヒトデの大発生は1975年からオーストラリアのグレートバリアリーフなどからはじまりました。
沖縄の海でもサンゴはオニヒトデの食害で大打撃を受けています。
大浦湾でもアオサンゴのまわりのサンゴは多くのものが死滅しているのです。
アオサンゴがオニヒトデの食害を受けにくいのは、その形状からです。
オニヒトデが胃袋を露出して食べようとしても、板状・枝状ではなかなか食べることができません。

大浦湾にはユビエダハマサンゴの群落も発達しているのですが、こちらもオニヒトデが食べにくい形ですね。

奇跡的に残っている素晴らしいアオサンオやユビエダハマサンゴの群落。
基地建設の埋め立てによる影響で、壊してしまってはいけません。

テーブル状のサンゴなどは、オニヒトデの絶好のターゲットです。
でも、悪いのはオニヒトデなのでしょうか。
オニヒトデも食べて生きていく生きものです。
集い参加者から「オニヒトデだけを悪者にするのはかわいそう」という声があがりました。

サンゴはオニヒトデの卵を食べているのですが、赤土の流入などで弱ったサンゴがオニヒトデの卵を食べる量が減ったのではないかと思われます。

オニヒトデのメス1個体は数千万粒もの卵を産むので被食率が1%減ったとしても、すごい数のオニヒトデが育つことになります。
オニヒトデが悪者なのではなくサンゴを弱らせオニヒトデの大発生を招くような状況を作り出したことに問題があるのではないでしょうか。





身振り手振りをまじえながら、大きな視野から、自然の中での生きもののつながりについて語っていただけました。
あっという間の2時間。
「目崎先生だったら、大学の学生さんも講義が楽しいでしょうね」の声がいくつもあがっていました。



質疑応答の後SDCCからは、ジュゴン訴訟についてとジュゴン訴訟勝利の成果を国際的に広めていくため、IUCN(国際自然保護連合)のバルセロナ会議に行くことなどをお話しました。



会場に来てくださった方にジュゴンイラストを描いていただきました。





本日のじゅごん