2月18日:海の生き物を守る講演と歌の会
場所:ハートピア京都第5会議室(京都)



2月18日京都市内で「放射能汚染と海の生きもの」の講演と歌の会がありました。

向井宏・海の生き物を守る会代表(京大特任教授)が開会の挨拶したあと、歌手の江藤ゆう子さんの司会で講演会が始まりました。
向井さんからは「原発が海の生き物へ与える影響」で、海の生き物への放射能移動は海で放射能が減少する時期(3~4年後)以降に食物連鎖で魚の放射能濃度が最も高くなる(5~6年後)。
原発は温排水(7度高い)で海の生態系を破壊するだけでなく、温排水は海水に溶けている炭酸ガス(CO2)を排出することにも注意しなければならないと報告されました。

つづいて、歌手の江藤ゆう子さんから海への思いを語られ、海や故郷の情景を描いた童謡の素晴らしさを歌で表現されました。また、福島のチャリティーコンサートへの参加も呼び掛けられました。
最後に、鹿児島大学理学部教授の佐藤正典さんから「事故だけでない原発の放射能汚染」で原発が日常的に海に放出している「液体廃棄物」の中でもっとも放射能が大きいものはトリチウム(三重水素、半減期12.3年、β崩壊核種)であること。
14基の原発が集中している日本海の若狭沿岸(福井県)、日本で唯一の内海に面した伊方原発(愛媛県)、原発の専売のトリチウムを日常的に放出する六ヶ所村(青森県)の周辺海域では、トリチウムによる汚染が懸念される。
トリチウムは水素の同位体なので、あらゆる生物に入り込み生物体内に蓄積され長時間にわたって内部被ばくを引き起こす恐れがある。
人間よりもはるかに弱い海の中の小さな生物を守ることが人間を守ることになると報告を終えられました。
3時間にわたる講演と歌の会が江藤さんの司会で楽しく活発な議論で終えました。

 ジュゴンの保護者より


 




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