2014年活動報告  

2月1日:海の自然保護 最前線!!
場所:モンベル品川店2F(東京)


2月1日、都内で海の生き物を守るフォーラム「海の自然保護 最前線!!〜海の生き物を守れない日本のシステム」が海の生き物を守る会、日本自然保護協会の共催、IUCN−Jの後援で開催されました。

冒頭、日本自然保護協会の志村智子さんから「日本における海洋保護区(MPA)のいま」の演題で、日本政府が発表した「日本の海域の8.3%がMPAである」が真の保護区ではないことが明らかにされました。
次に、海の生き物を守る会代表の向井宏さんから「重要海域の選定とその問題点」で、環境省が生物多様性のための重要海域の選定作業を進めている状況と、3月に発表される選定結果をふまえて海洋保護区の選定に向けた取り組みを進めることが提案されました。
三重大学の勝川俊雄さんからは「日本の水産業と海洋保護区」で、日本周辺海域の砂漠化の実態が報告されました。
その一方、南アフリカで40Kuの海洋保護区の設定や京都府のズワイガニ漁の禁漁区の設定で漁業生産が改善するなど、
海洋保護区を作れば漁業量が増加すると実例が紹介されました。しかし、日本の場合は持続的に管理をしているわけではなく、海洋全体を保全する視点がないと指摘しました。
安部真理子(日本自然保護協会)さんからは「沖縄・辺野古の海のこと」と題して、米軍基地建設にかかわる環境アセスメントや埋め立て申請の承認などで非科学的で非民主的な手続きが頻繁に行われたことが報告されました。
そして、アオサンゴ群集の保全と管理の自主ルール作りの取り組みについて紹介されました。

また、表浜ネットワークの田中雄二さんからは「海岸利用者が望む海洋保護区」について報告されました。

休憩をはさんで、パネルディスカッションが行われました。
ここで、吉田正人さん(日本自然保護協会専務理事、IUCNーJ会長)がパネラー、コメンテーターとして参加しました。
海の砂漠化をもたらしたものは何か、が一つの論点になりました。
「漁業者の高齢化などで、漁業に展望がないことが乱獲につながる」
「環境省、水産庁などの縦割り行政の問題」「海に関するデーターがない」
「漁業における科学技術の進歩が、漁業の社会システムと矛盾を起こしている」
などが指摘され、漁業の先進国では「乱獲は時代遅れ、保護区が生産量を増やす」
ことが常識になっていると紹介されました。

また、海は漁業者だけのものではないことを学者研究者、NGO、マスメディアが積極的に訴えて、市民主導の保護区づくりが提案されました。
そのことで、乱獲の規制が始まることも確認されました。

フォーラム会場で埋め立て反対署名とグッズ販売をしました。
参加者の皆さん、ご協力有難うございました。

フォーラム終了後に、会場地下の喫茶室で2013年度海の生き物を守る会総会が行われました。

 ジュゴンの保護者より。