2015年活動報告  

2月11日:海の生き物を守るフォーラム2015
場所:クレオ大阪東(大阪)


海の生き物を守る会のフォーラム「海と人間の関わり方〜コンクリート文明からの脱却」に参加してきました。

まず、海の生き物を守る会の向井宏さん(北海道大学名誉教授)からフォーラムの趣旨説明されました。

日本の自然海岸率は44%(島嶼部を入れた数字)。

世界でも、もっとも海岸のコンクリート化が行われています。

自然との共生を目指す社会への転換をもとめて、フォーラムが開催されました。
ひとりめの講演者は、鹿児島大学教授の佐藤正典さん。

有明海の干拓についてのお話しでした。
印象的だったのは、同じ堤防を作るにしても、「人間が海から陸側に一歩下がると、小さな堤防で済む」ということ。
続いて、京都大学名誉教授の田中克さん。

東日本大震災で甚大な被害を受けた東北太平洋沿岸域に、巨大な防潮堤(最大のものでは、高さ14m幅56m)を作る計画が進んでいます。

砂浜・干潟・湿地は、森と海の境界にあり、防潮堤はそのつながりを断ち切るものです。海のそばで暮らしてきた人々にとって、防潮堤は「ふるさと」の消失を意味します。

津波の被害を防ぐために巨大な防潮堤は必要なのでしょうか?震災のとき、防潮堤の無いところより、有るところのほうが死亡率が高かったという報告もあるそうです。
慶應義塾大学教授の大沼あゆみさん。

防潮堤建設を経済の面から検証されました。

宮城県気仙沼市の小泉海岸の防潮堤建設では、建設費が237億円(環境費用を含まず)に対して防潮堤が守る国道や農地等の価値は高く見積もって37億円。

(住民は集団移転で住宅はなくなっているので、守るのは、国道や農地だけ)

もっと必要なところにお金を回したいと思っても、予算項目が違うと、簡単にはいかないそうです。

防潮堤の寿命は60年。今後維持管理費が将来世代に大きくのしかかってきます。

グリーンインフラ(自然を活用したインフラ)を使えば、費用が安く、自然保護にもつながっていきます。
最後に、日本自然保護協会の安部真理子さん。

辺野古・大浦湾で、何度も海草調査・リーフチェックをされています。
環境アセスの問題点を、辺野古の基地建設を例にお話されました。

辺野古アセスでは、事前調査が環境を撹乱したり、膨大な量の埋め立て土砂がアセスの対象になっていなかったりと様々な問題点がありました。

そして現在、何トンもあるコンクリートブロックが、サンゴを踏み潰すなどの環境破壊を行われているのですが、これもアセス法に違反しないとのこと。

アセスは、環境を守るためのものではなかったのでしょうか?アセス法の改正が急がれます。
最後の討論。

防潮堤建設では、環境アセスも必要ないとのこと。

この状況を変えるために、ひとりでも多くの人に、今日のフォーラムの話を伝えましょうとしめくくられました。
司会は京都市在住の歌手江藤ゆう子さん。

素晴らしい歌声も聞かせて下さり、最後はみんなで一緒に歌いました。

「お母さんが子どもに歌を聞かせていると、子どもが大きくなって反抗期になっても、その歌を聞くと、きっと愛された記憶を思い起こします」と。

歌の力を再確認しました

SDCCはブースを出して、署名集め、グッズ販売をさせていただき、辺野古の海への関心も、広げることができました。

ありがとうございました

ZAN