2018年活動報告  

4月20日:政府交渉
場所:防衛省・環境省(東京)


4月20日に環境省、防衛省と交渉を持ちました。


環境省には、埋め立て工事でジュゴンが絶滅に追い込まれている認識を共有化すること。


防衛省には、ジュゴン個体Cの行方不明の事業者責任を明らかにさせるためです。


環境省交渉では、埋め立て工事がこのまま進むとジュゴン個体Cの行方不明だけではなく、
ジュゴン個体A、Bの生息域を土砂搬出船2隻が航行することできわめて危険な状況にあること。
また、7月埋め立て土砂投入で辺野古沿岸域の海草藻場(ジュゴンの餌場)が壊滅的になることなどを指摘しました。


環境省として「ジュゴンと地域社会の共生推進の取り組み」(平成28年度)などで海草藻場の調査や分析をしている立場から、防衛省に辺野古大浦湾の海草藻場の保全や移植先などの検討状況を問い合わせすることなどを要請、検討するとの回答を得ました。
また、防衛省とは辺野古大浦湾の海草藻場の保全や移植については議論していないとの事実を明らかにしました。ジュゴン訴訟で、日本政府の動きの事実資料として提出します。

環境省が「沖縄のジュゴン保護に関する質問主意書」(159国会質問第33号 参議院平成16年6月14日)への答弁書(平成16年7月13日閣議決定)の「5.ジュゴンの生態などに関する知見を収集し、生息条件の整備並びに個体数の維持及び回復を図るための措置を検討する」を実行する立場を堅持することを強く求めました。


防衛省交渉では、自らがまとめた環境影響評価書(埋め立て願書)の保全措置を一切履行していないことを追及しました。


1点目は、防衛省はジュゴンCの行方不明について「工事の影響ではない」としていますが、そのことを助言機関である環境監視等委員会の議事録には議論した内容が記載されていないこと。

2点目は、環境影響評価書の保全措置では「ジュゴンの生息範囲に変化が見られたときは、工事との関連性を検討し、対策を行うこと」(評価書第7章7.1.9.(1))を履行してはいません。

3点目は、沖縄県が埋め立て承認の条件とした「公有水面埋め立て関する承認書の留意事項」(平成25年12月27日)にある環境監視等委員会が機能を果たしていないこと。委員の意見を無視した運営をしていること。

 以上がその根拠です。


 交渉は異常な展開になりました。
テープレコーダーのように同じ言葉の繰り返し。
「ジュゴンCの行方不明は工事の影響ではない」「環境監視等委員会の議事録や事後調査報告書に記載している通り」「埋め立て願書にある環境保全措置にのっとり工事を行っている」と。

 私たちは防衛省に具体的な質問を次々と浴びせました。
環境保全措置には、「ジュゴンの生息範囲の変化が見られたときは、工事との関連性を検討し、対策を行う」と明記している。ジュゴンCの行方不明は生息範囲の変化ではないのか。

「ジュゴンCの行方不明は工事の影響ではない」との議論を、第○委員会の議事録のどこに記載されているのか。
事後調査は単なる調査で、ジュゴンCの行方不明についての原因を検討する議論ではない、などと。

 防衛省のこの姿勢はジュゴン訴訟結審にむけて、「なんらの言質をとられまい」とする姿勢の表れだと思いました。
その結果、環境監視等委員会に全ての責任を押し付け、
事業者である防衛省の責任を回避する無責任な姿を現しています。

沖縄県が辺野古・大浦湾の埋め立て承認を撤回できる根拠がますます明らかになったと思います。沖縄県が、5月末までに承認の撤回を実行することを強く求めます。
私たちは、5月18日には沖縄県交渉を準備しています。
そして、6月24日(日)午後に沖縄大学で「ジュゴンを救え、埋め立て承認撤回を」シンポジウムと海勢頭豊コンサートを開催します。


 ジュゴンの保護者より