大浦湾モニタリングツアー報告      

ジュゴンの見える丘

SDCCではこの丘から、ジュゴンの目視観測(定点観測)を年に数回、学生を中心に行ってきました。
回を重ねるごとに観測の方法を改め、ジュゴンの目視には至りませんでしたが、この丘に立ちイノー(リーフ内の礁湖)、リーフの切れ目(クチ)、外洋を観察していると、ジュゴンが生息していると思わせる空気が漂っています。
丘から見渡すことの出来るイノーには、ジュゴンやウミガメに見間違えてしまいそうな岩場があります。
もしかすると、満潮時の物静かな時には、この岩陰に隠れるようにして、ジュゴンがイノーを泳ぎまわっているかもしれない、と思わせる環境があります。
ジュゴンの見える丘からは、嘉陽の浜が一望でき、イノーに生える海草が点在している様子が分かります。
干潮時にはリーフの上まで歩いていくことが出来ます。
嘉陽の浜では干潮時の夜、イザリ漁が行われ、リーフに隠れる大きなエビを捕ったり、貝やタコを取ることが出来ます。海の環境と共に生活している様子が今でも残っているのです。


ウミガメの来る嘉陽の浜

5月中旬から7月にかけてこの浜にウミガメが産卵に来ます。外洋からクチを通りイノーに入り、砂浜に上がって産卵します。
この時期、産卵時に浜に上がり海へ帰っていったウミガメの足跡が、砂浜に残っていることがあります。
嘉陽の浜の北側にある嘉陽小学校では、嘉陽の浜に産卵に来るウミガメの卵を運動場の端に一時的に保護し孵化させ、海に返す取り組みを10年前から行っています。
ウミガメが砂浜に産卵した順番のまま、運動場に作った飼育場所に埋め直し孵化させ飼育・観察しています。
豊かな海の環境と生活の場が間近に接しているこの地域にとって、このような取り組みは子供にとっても地域にとっても貴重な取り組みに違いありません。
この地域の豊かな自然環境を見つめ直し、この地域のすばらしさを再認識するためにも重要な取り組みであると感じました。

天仁屋

二見以北10区とは
二見 大川 大浦 瀬嵩 汀間 三原 安部 嘉陽 底仁屋 天仁屋 の10区ですが、天仁屋はその北端にあたります。
浦島さんも「10区は南北に長い・・・チラシをくばるのも大変です」とおっしゃっています。

この日は台風の暴風で海が荒れていました。でも天気のよい日、天仁屋崎からはニライカナイをイメージさせるすばらしい日の出を見ることができます。
天仁屋の北はもう東村。
素晴らしい自然と豊かな文化、歴史を持つ二見以北10区に、ジュゴンの保護区を作りたい、自然と共生する豊かな暮らしを守って行きたいという思いを新たにしました。
翌日、ヘリパッドの計画されている高江にむかいました。