2009年活動報告  

3月7日:倉沢栄一さん講演会その2
場所:とよなか・すてっぷ
(大阪事務所)


続いて倉沢さんが今お住まいの、知床の生きものたちを紹介していただきました。


クラカケアザラシや、ワモンアザラシ、ゴマフアザラシたちは氷の上で赤ちゃんを産むので、子どもたちは目立ちにくいよう真っ白な毛に包まれてうまれてきます。
流氷の下のアザラシ。
かわいい
でも撮影は寒くて大変だったことと思います。
近頃、サケは河口で捕えられて、孵化場へ運ばれるので自然に川を遡上する姿はほとんどみられなくなってしまいました。
知床といえばヒグマ。
サケの遡上する川では、ヒグマたちにとってサケは大変なご馳走です。
ヒグマたちはアザラシとは反対に、サケの身を食べて頭を食べ残すそうです。
ヒグマの食べ残しをねらっているキタキツネ。
カナダでの研究ですが、サケが遡上する川と、遡上しない川では遡上する方の川の森の木の成長がいいそうで、明らかに差がつくそうです。

普通、物は川から海へと運ばれますが、サケだけが海で成長して、その成長した分の物質を川に戻しにきます。

サケを食べた動物たちの糞や、死んだあと土に還っていくからだが森を豊かにしていくのです。

多様性にあふれた生きものたちのつながりが、海と森を豊かにしているのですが、知床にも温暖化の影響がしのびよっています。

流氷が減っているのです。
ここのところ、接岸が遅かったり接岸してもすぐに離れてしまう傾向があります。

流氷とともに運ばれてくる植物プランクトン。
植物プランクトンをエサに成長する動物プランクトン。
流氷が来ないと、プランクトンが増えず、魚も成長できません。

豊かな森と海がありたくさんの生きものがいるから、人も豊かに暮らせるのだと思います。

知床の海も、ジュゴンの海も、人の暮らしも守っていきたいと思います。